足の退化編

 まずは、“足の退化”についてですが、私は、日本人の退化の最たる肉体的な部位は足だと、今までの施術経験・体験などから、そう考えております。

 男女問わず、職種問わず、運動の有無問わず、9割方が足の機能を低下させたまま生活されています。

 

 そうなってしまった理由は、

裸足の生活を幼少期に充分にさせていない。

少し大きめなサイズを履かせてしまう。

履く度に、靴紐などでしっかりと足の甲側と土踏まずを固定させない。

 などの環境を幼少期から与えてしまい、足を正確に使わない(使えない)悪い癖を身に付けてしまった事にあると思います。

(精神的にも、肉体的にも、ある一定の状態に慣れ親しませてしまえば、脳はそれを異常だと感じる能力が低下していきます。)

 

 イギリスやドイツなどでは、オーダーメイドで自分専用の靴を作り、靴を脱ぐ事をあまりしない生活環境があります。

 

 それに対して、日本人は靴を脱ぐ・履き替える環境があり、殆どの方が脱ぎたがります。

 

 選ぶ基準としては、デザイン性・機能面と、“脱ぎ履きしやすいサイズ”で選ばれている方が多いはずです。

 市販でサイズが適当に合う靴(合っていない靴)を履いていますので、

靴の重さに振り回されている。

窮屈でぶつかってしまう部分がある。

○先端が尖ったデザインで、指の部分に大きな空間がある。

全体的な密着度が低く、足裏の接地面を不安定な状態にさせてしまっている。

 この様な靴では、歩く時間・履いている時間が長くなるにつれ疲れてしまいます。

 

 疲れるだけならまだしも、趾骨、中足骨、足関節を正常な位置で使えなくなっていくのです。

 

 そうなってしまえば、足の筋肉を鍛えたり、足型を取ってインソールを作ってもらう、自分に合った靴を作ってもらっても、

本来在るべき関節の正常な位置には戻らない事が多いのです。

 正常な位置に戻してあげた上で、その位置を保つ為の筋肉を付けていかなければなりません。

 

 2足歩行をする人間にとって、脚は健康である為の重要な基礎の一つになります。

 基礎、土台((趾骨、中足骨、足関節(脛骨、腓骨、 7つの足根骨))が正確なポジションにあり、アーチ構造が正常に形成されていなければ、立った瞬間からバランスが崩れていますし、歩く度に起きている衝撃を吸収しきれない為、膝や股関節への負担増はもちろん、その上に乗る骨盤・背骨・肩・頭蓋などは、常にバランスをとろうと、必要以上に緊張状態を継続させられる事になります。

 その状態を継続していると、過緊張による下肢の血行不良などから全身に悪影響が拡がってしまう原因になります。

 

 自分に合った靴を履き、正常な位置で関節が機能するようになりますと、股関節の問題、膝の問題、足裏の疲れ、冷え、ムクミ、こむら返り、下腹部の問題(便秘、尿漏れ)、生殖器官の問題(月経痛、不妊、前立腺肥大など)、頭痛などは自然と改善されていきます。